旧満州生まれ、佐賀県多久市在住の坂口康子さんと30年ぶりにお会いしたのが昨年末。シベリアに抑留されたお父様のことやきょうだいで日本に引き揚げてこられたこと、平成に入りシベリアの墓参団として参加されたときの思いなどを綴った手記を書いていらっしゃるとのことでした。出版ご希望のお話をいただき、書籍化を進めてまいりました。

今年に入って編集に着手、半年以上という長い期間がかかりましたが、ようやく本が完成しました。タイトルは『今伝えたい、平和への願い 蟻のなみだ』です。

戦中戦後の苦労を経て、ご両親やきょうだいへの愛情、鎮魂を文章という形に。読者の方も当時を旅しているかのように著者の「平和への願い」に触れることができるのではないでしょうか。シベリア抑留や引き揚げを体験された方の中には、あえて当時のことを語らない方もいらっしゃると言われますが、一人の女性の物語(実話)の編集を通して、このような体験を一人でも多くの方が形にすることは大切ではないかと思いました。

実は30年前の1993年、高校生(17歳!)だったわたしは、康子さんたち姉妹で書かれた詩歌の発表コンサートに聖歌隊として母に駆り出され、出演したのでした。父はそのコンサートに作曲で携わり、5年後に50歳で他界。思い出深いコンサートのご縁で、わたしは今回、編集と出版、クラウドファンディングに携わらせていただきました。さまざまな人の姿を思い浮かべながら、春から夏にかけ多久市に何度も通い、康子さんご本人と、文章のデータ化やアドバイスなどしてくださる支援者・最所和泉さんと一緒に編集作業を行いました。本体の印刷は鹿島の松浦印刷さんです。

このたびは改めまして応援をいただき、ありがとうございました。今回出版のステップを踏み出しており、販促活動も進めてまいります。たくさんの方に康子さんの思いを手にとっていただけますように。今後ともどうぞご支援をお願いいたします。

 

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